娘に幻滅される

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暑くなる頃、僕は苦手な娘とデート(?)をすることになった。偶然、ふたりで飲んで幻滅された。情けない男でごめんよ。

その日は、先輩と先輩の彼女さんとの食事会を盛り上げ、僕の仕事は終わるハズだった。先輩たちと別れた後、その場に彼女さんが連れてきた娘と飲みに行くことになった。

連れて行ったのは、しみったれた「立ち飲み屋」たまに友達と飲みに行く、全然おしゃれじゃない店。

(はやく帰ろう)

以下の話の続きです。

僕のペースではない

僕は、垂れ目でホンワカした女子が大好きです。どちらかと言うと、少しおつむが弱い娘の方が好き。そんな娘に頼られたい。

僕は人に合わせるのが苦手なので主導権を取り、こちらのペースでことを運びたい。

なのに、今日一緒にいる娘は「できるオンナ」というオーラをまとっている。絶対に僕の言いなりには、ならない。僕が苦手とするタイプ。

ただ、女子に冷たくできない呪いをかけられている僕は、奈央(仮名です)の誘いにのり、立ち飲み屋に連れてきた。

しみったれた立ち飲み屋に咲く一輪の花。終始、笑顔でニコニコ話をしてくれた。

(この笑顔の裏には、何かある)

勝手に僕が作った奈央のイメージにビビり、余計なことを言わないように気を使って話をしていた。

楽しい訳がない。

(早く帰りたい)

解放されたと思ったら

そろそろ、よい時間なので駅まで送って行くことにした。苦手な娘でも、女子には優しくしてしまう。

他愛もない話をしながら駅に向かっていると奈央から、思いもしない提案が。

奈央「ちょっと話したいことあるんだけど良い?」

(何? 告白か?)

告白か? 今から告白されちゃうのか? 東京の女は積極的だな。東京ラブストーリーのリカも「SEXしよ」ってカンチに言ってたし。

なんて軽くパニック。

僕「何?」

かわいいから嬉しいんだけど、付き合うことになったら、顔色を伺い、気を使う仲になりそう。そんな彼女は二度とごめんだ。

僕はホンワカした優しい娘が好み。一緒に、ほげほげしたい。

(でも、ワンナイトラブなら問題ないか)

僕「ホテル入る?」

奈央「はっ?」

大きな目で睨まないでください。完全な僕の勘違い。恥ずかしい。冗談だと思ってください。

奈央「ちょっと飲みなおそう」

(立ち飲み屋では、にこにこしてじゃん? また怖いモードじゃん。俺が何した?)

さっきまでのニコニコした雰囲気とは違い「できるオンナ」モードに入り、完全に、奈央のペースに持っていかれました。

こうなると僕は弱い。茶髪でイキっている外見とは違い弱い男。女王様の言われるがままに。

連れてこられたのは、大人の雰囲気が漂うショットバー。間接照明って言うんですか、僕の地元にはない東京のお店。

緊張しながらカウンターへ。

奈央「落ち着いた店じゃないと話せないよね」

(あの~。僕には話すことがないんですが?)

奈央「立ち飲み屋に連れて行った真意は?」

主導権を奪う女子は苦手です。

僕「たまには良いでしょ? 気取らなくて」

苦手な娘と飲みたくなかったなんて、本当のことは言えません。本音と建前、僕はもう子供じゃない。

奈央「ねえ、私のこと避けてるでしょ?」

(うん)

奈央「なんで?」

(睨むな。その目だよ。怖いんです)

僕「近づきにくいオーラが出ているんだよ。かわいすぎてw」

奈央「どう言うこと?」

僕「ごめん。強いオンナは苦手です」

奈央「強くないけどね」

僕「奈央さんも避けてるでしょ?」

奈央「チャラチャラしている男は嫌い」

お互い苦手なタイプだったんです。だったら誘わなけりゃ良いのに。苦手な相手には近づかない方がお互いのためだよ。

奈央「ねえ。真剣なときってあるの?」

僕「いつも真剣だよw」

話をまとめると、僕がふざけているのが気に入らない。みんな真面目にやろうとしているのに僕がふざけることで、それに乗っかる人たちが増える。みんなの足を引っ張らないで欲しい。ってことらしい。

そんなこと言われたってね。どうしようもないんだよ。僕は真面目にできない人たちが困らないように逃げ場を作ってあげているんだよ。僕が目立っていれば、みんな僕の影に隠れることができるじゃん。

怒られるのは僕だけで済む。みんな救われる。奈央のように強い人間ばかりじゃない。僕は他の人より打たれ強いから、弱い人間を守ってあげたい。

早く結婚して会社を辞めたい娘たちとか、出世レースで負けが見えた輩たちが嫌々でも仕事を続けられるようにした方が良いじゃん。

そのためには、誰かがピエロにならないといけないんだよ。

なんて、アツく語ってしまいました。僕の本心。

人生なんて知らないよ

奈央は頭も良いので理解してくれた。でも、やり方が悪いと真剣に話をしてくれた。なんか、納得はできなかったけど、奈央の言っていることも分かる。

でも、アツく言い争っても、しょうがないじゃん? なので、いつものモードに切り替える。

(あつくなってしまった。そんな必要はないよ。大人じゃん、俺。)

それでも、奈央は食らいついてくる。かなり面倒くさい。

完全に奈央に主導権を取られ、お母さんに叱られている子供。そんな気分。

僕の本心なんて語るつもりもない。僕は小さい男なので、本当のことを話して笑われたり、否定されたくない。のらりくらりと誤魔化しながら、話を逸らす。その度に奈央はキツい眼差しで睨む。

奈央「ひらめくん、仕事楽しい」

僕「楽しい? 仕事が?」

僕は就職して、一度も仕事が楽しいなんて思ったことがなかった。仕事は生活するためにするもの。楽しむものではない。

僕「逆に聞くけど、奈央さん、楽しいの?」

奈央「会社のために貢献したいと思っているし、私が成長しているのを感じるから楽しい」

僕「じゃ俺も」

奈央「人生、楽しい?」

はっきり言おう、僕はそれまで人生なんて考えたことなかった。そのときが楽しければ良い。そんな難しいことを考えたことはなかった。

奈央「将来の夢とかないの?」

ある訳ない。僕の小学校の卒業アルバムの将来の夢は「忍者」その頃から筋金入りのアホだ。毎日が楽しければ良い。

奈央「ちょっと真剣に人生考えた方が良いよ」

アツい。なんか、松岡修造の女バージョンか?ってくらいアツい。僕の仲間にはいないタイプ。面倒くさい。

奈央「ねえ。本気で話している?」

僕「うん。話しているよ」

奈央「嘘だね。逃げてるでしょ?」

僕「大人だからね」

奈央「最低。幻滅したわ」

初めて話した娘にここまで言われる筋合いはない。

僕「俺だって考えている。でも奈央さんに話す必要ないよね?」

本当は何も考えていなかったんだけど、なんか勢いで答えてしまった。売り言葉に買い言葉。

奈央「そうだね。いつか話してね」

急に寂しそうな目でそう言われて僕は戸惑った。

そして奈央が席を外したとき、一部始終を聞いていたバーテンダーのおじさんから「さっきみたいに本気で話してあげてください」と声をかけられた。

ちょっとバーテンダーのおじさんと話した。

おじさん曰く、彼女は僕と仲良くなりたいと思っているのに本心を隠す僕に幻滅した。彼女の期待に応えるのが男なんじゃないか? せっかく、心を開こうとしている人間に対して、僕の態度は良くない。

言われていることは分かる。ただ、僕には答えがない。

これまで何も考えずに生きてきた

奈央が戻ってきた後、とりあえず謝った。

僕「ごめん。本当は何も考えてなかった。今が楽しければ良いと思っている」

奈央「うん。分かった。自分の人生なんだから真剣に考えた方が良いよ」

僕「うん」

奈央「もったいないよ」

僕「うん、考えてみるよ。今度話す」

ちょっと悲しそうだったけど、奈央が笑ってくれた。

(ありがとう。おじさん)

その後、他愛もない話で朝まで過ごしました。なんか、吹っ切れたと言うか、苦手だと思っていた奈央のイメージが変わりました。

何のために生きている?

素直って言うか単純って言うか、僕はそれからしばらく色々と考えた。

やりたいことなんていきなり見つかるものじゃない。大概の人は、やりたいことなんて見つけられずに人生が終わるんだと思う。

ただ仕事に追われ、結婚して、今度は子育てに追われ、気づいたら歳とって、ちょっと余裕が出て来たときに「俺、何のために生きて来たんだろう」って感じるんじゃないかな。

僕は奈央と知り合い、色々と考えるきっかけをもらった。ぶっちゃけ奈央以外の人に同じことを言われても考えなかったと思う。

偶然だけど、人生について考える機会を与えてくれた。

ーーー

次回はないと思っていたけど、次回がありました。

その後、約2年間、一緒に飲み、語り合い、本当に長い時間を二人で過ごした。ただ、残念なことに肉体関係もなく、僕の片思いで終わった恋。良い思い出。

奈央との思い出はたくさんあります。誰の役にも立たないネタだけど、アホな男の話を読んで笑ってもらいたいなんて思っています。

もしこのブログを読んで誰かが人生について考えるきっかけになってくれると嬉しいです。

ではでは。

自分語り

最後までお読みくださりありがとうございます。
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酔蛙戯言

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